RTX 5000 SUPER無期限延期の衝撃:AI需要とメモリ高騰が招いた悲劇

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はじめに:期待が一転、絶望へ

心待ちにしていたゲーマーには衝撃のニュースです。NVIDIAの次期モデル「RTX 5000 SUPER」シリーズが無期限延期となることが、各メーカー(AIB)に通達されました。

博板堂の報道によると、対象はRTX 5080 SUPER、5070 Ti SUPER、5070 SUPERの3モデル。開発はほぼ完了し、2025年7月にはスペックのリーク情報も出るほど準備万端だったにもかかわらず、です。

これにより、現行のRTX 5000シリーズが2027年後半まで市場の主役を務めることになります。異例の長期間、新製品なしという事態です。

延期の三大要因

1. 深刻なメモリ不足と価格高騰

最大の原因は、世界的なメモリ不足と価格高騰です。

SUPERシリーズの仕様変更がコストに直撃:

  • 従来:2GBモジュールのGDDR7を使用
  • SUPER:すべて3GBモジュールに変更予定

予定されていたVRAM容量:

  • RTX 5080 SUPER / 5070 Ti SUPER:24GB
  • RTX 5070 SUPER:18GB

これらは現行モデルの弱点だった「VRAM不足」を解消する理想的なスペックでした。しかし、現在のメモリ価格でこれを実現すると、製造コストが跳ね上がり、市場が到底受け入れられない超高価格での発売が予想されました。

さらに追い打ちをかけるように、2026年2月以降、NVIDIAがメーカーに対して本格的な値上げを通知するとの情報もあります。

2. AI向けGPU生産の最優先化

RTX 5000シリーズに使われるGB200系のダイは、プロ向けのRTX PROと共通です。さらに、製造プロセスのTSMC N4Pは、データセンター向けの「Blackwell B200」とも同じラインを使用しています。

現在は世界中でデータセンターの建設ラッシュが続いており、工場はBlackwellの製造で手一杯です。収益性が桁違いに高いAI向けを優先すれば、相対的に家庭用RTX 5000の供給を増やすのは困難になります。

ゲーマー向けグラボは完全に後回しにされているのが現状です。

3. 強力なライバルの不在

本来、SUPERシリーズはAMDの「Radeon RX 9000」に対抗するための切り札でした。しかし、蓋を開けてみれば:

  • RX 9000はAMD内では売れているが、NVIDIAのシェアを脅かすほどではなかった
  • AMDの次世代「RDNA 5」が出るのは2027年中旬と予想される

つまり、2027年まで強力な敵が来ないなら、今わざわざコストをかけてSUPERを出す必要がないのです。競争が止まると、新製品のサイクルも平気で伸びてしまいます。

市場への深刻な影響

現行モデルの価格高騰と品薄

延期によって、現行のRTX 5000シリーズが2027年後半まで現役を務めることになります。しかし、手に入れることすら困難な状況が続いています:

  • RTX 5090から5060 Tiまで全モデルが値上がり
  • 市場は極度な品薄状態で店頭にまともに並ばない
  • 2026年2月以降、さらなる値上げの可能性

初心者が手を出せるグラボがなくなり、自作ユーザーにとっては地獄のような環境です。

PC市場全体の冷え込み

メモリ高騰の影響は、グラボ単体だけでなくPC市場全体に波及しています:

  • PCパーツ全体の需要が落ちている
  • 自作PCやBTOパソコンを組む人すべてに影響
  • 新製品を出しても販売台数が期待できない

高いコストをかけて爆死するリスクを避けるため、NVIDIAはブレーキを踏んだわけです。

開発状況:ほぼ完成していた

今回の延期が特に悔やまれるのは、開発がほぼ完了していたという点です:

  • 2025年7月にスペックのリーク情報が出るほど準備は整っていた
  • 当初は2026年初頭、その後2026年後半とされていた
  • CES 2026でも発表が期待されていた

しかし、市場環境の悪化が予想以上に激しく、無期限延期という重い決断に至りました。

ユーザーへの影響

VRAM増量を期待していた層には大打撃

現行RTX 5000シリーズの最大の弱点は、VRAM容量の少なさです。SUPERシリーズはこれを解消するはずでした:

  • 4K高画質ゲーミングが余裕でできる24GB
  • 重量級ゲームでも安心の18GB
  • VRAM不足の指摘を完全に封じる仕様

これらが幻に終わったのは、多くのゲーマーにとって痛手です。

買い控えていたユーザーは梯子を外された

「SUPERが出るまで待とう」と買い控えていたユーザーは、完全に梯子を外された形になりました。

現状の選択肢:

  1. 高価で品薄な現行モデルを今買う
  2. 2027年後半のRTX 6000シリーズまで待つ
  3. 2026年2月以降、さらに高くなった価格で買う

いずれも厳しい選択です。

なぜNVIDIAは現行モデルの販売好調なのか

皮肉なことに、現行RTX 5000シリーズの販売は好調です。これも延期の理由の一つとされています。

好調の背景:

  • 圧倒的な性能優位性
  • ライバル不在による独占状態
  • AI機能への期待

しかし、この好調さが新製品投入を遅らせる結果になっているのは、ユーザーにとっては複雑な気分です。

今後の見通し

2027年後半まで現行モデルが継続

次世代のRTX 6000シリーズが出る2027年後半まで、今の5000シリーズが続く見通しです。あと1年半以上も現行モデルのまま——これは異例の長さです。

メモリ価格の改善は期待薄

前回の記事でも触れましたが、メモリ不足の改善は当面期待できません:

  • AI需要は加速の一途(NVIDIAの次世代Rubin GPUなど)
  • 少なくとも2026年中は続く見込み
  • 最悪2027年まで影響が残る可能性

自作PC市場の停滞

大きな変化がないまま2027年を迎えることになれば、自作PC市場はしばらく停滞するかもしれません。競争がないと、技術革新のサイクルも遅くなってしまいます。

まとめ:絶望的な状況下での経営判断

RTX 5000 SUPER無期限延期の背景には、複合的な要因があります:

技術的には完成していた:

  • 開発はほぼ終了
  • 理想的なVRAM容量
  • 高い性能向上が期待されていた

しかし市場環境が許さなかった:

  • メモリ不足による製造コスト高騰
  • AI向けGPU生産の優先
  • ライバル不在で投入の必要性が低下
  • PC市場全体の需要減退

結果:

  • 2027年後半まで現行モデルが継続
  • 価格高騰と品薄が続く
  • 新製品サイクルの異例の長期化

消費者にとっては「欲しいけど高すぎて買えない」「待っても出ない」という八方塞がりの状況です。経営判断としては理解できても、ユーザーとしてはやりきれない思いが残ります。

早く適正な価格でパーツが買える時代に戻ってほしい——それが、すべての自作PCファンの願いです。


この記事は博板堂などの報道に基づいています。正式な公式発表があり次第、情報を更新します。

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