またヤバいニュースが入ってきました。今回は、SATA SSDです。
あのお弁当箱みたいな形をした、ケーブルで繋ぐ四角いSSDのこと。最近の主流は基板むき出しのNVMeですが、まだまだ現役で使われている2.5インチSSDです。
なんと、SSD界の絶対王者「Samsung」が、SATA SSD事業を畳む、つまり生産を終了する準備に入ったという衝撃的な情報が飛び込んできました。
SATA SSDといえばSamsungの870 EVO
「Samsungが!?嘘でしょ!?」と思うのも当然です。
SATA SSDといえばSamsungの「870 EVO」。その常識が、終わろうとしています。
著名なハードウェアリーカーからの警告によると、Samsungはこの動きを水面下で進めており、これが市場に与えるインパクトは計り知れません。
18ヶ月にわたる値上げ圧力
報告では、今後最大で18ヶ月、つまり1年半にもわたって、SSD価格に強烈なプレッシャーがかかると予測されています。
1年半も値上げ圧力。ただでさえメモリ高騰で苦しんでいるのに、保存容量まで高くなるのです。
しかも、この事態の深刻さは、以前Micronがコンシューマー向けメモリの生産を終了した時よりもさらに悪いと評されています。
あの時も「コスパ最強メモリが消えた!」と大騒ぎになったのに、それ以上です。
古いPCを延命させる最後の命綱
考えてみてください。SATA SSDというのは、古いノートPCや、M.2スロットがないデスクトップPCを高速化するための最後の命綱です。
古いHDDをSSDに換装するだけで、ボロPCが現役復帰します。
その分野で、最も選ばれていたSamsungが抜けるのです。残されるのは、信頼性の低い激安中華メーカーのSSDか、高額なニッチ製品だけになるかもしれません。
「安心して使えるSSD」が、この世から消滅するということです。
Samsungの撤退は、単に「一つの製品が消える」だけではありません。SATAという規格そのものの「終わりの始まり」を告げる、巨大な墓標になるかもしれないのです。
情報源は信頼できるのか
このスクープを持ち込んだのは、テック業界では知らぬ者はいない有名なYouTubeチャンネル、「Moore’s Law Is Dead」のホスト、トム氏です。
「たかがYouTuberの噂話でしょ?」と思うかもしれません。しかし、彼はただの妄想を語っているわけではありません。
彼は、流通業者から小売店に至るまで、業界内の複数の独立した情報源から裏取りを行っています。
それぞれのソースが独自に、「SamsungがSATA SSDの生産から長期的に撤退しようとしている」という事実を確認しているのです。
火のない所に煙は立たない、ということです。
Micron撤退よりも深刻
トム氏は今回の動きを、以前メモリ大手のMicronが一般消費者向けメモリブランド「Crucial Ballistix」を終了させた事件と比較しています。
あの時も自作PC界隈はお通夜状態でした。だが彼は警告します。「今回のSamsungの撤退は、あの時よりも遥かに深刻な結果を招く」と。
なぜMicronの時よりヤバいのか?
メモリの場合は、Micronが抜けても、まだCorsairやG.Skill、Kingstonといった強力なライバルが残っていました。選択肢は他にもあったのです。
だがSATA SSDはどうでしょうか?
Western DigitalとかCrucialもありますが、Samsungの圧倒的なシェアには勝てません。
SATA SSD市場においてSamsungは事実上の「絶対君主」だったのです。その王がいなくなるということは、市場のバランスが崩壊し、価格競争が消滅することを意味します。
競う相手がいなくなったら、残ったメーカーはやりたい放題です。
DDR5メモリは60%値上げ
さらに、Samsungの「本気度」を裏付ける別の報道もあります。
Samsungはすでに、最新のDDR5メモリの価格を、なんと最大で60%も引き上げていることが判明しています。
1.6倍です。なりふり構わず値上げを断行し、利益の薄いSATA事業からは撤退する。
これはSamsungが、「儲からない個人向け市場」を見捨てて、「儲かるAI・サーバー向け」に全リソースを集中させようとしている証拠です。
私たち一般ユーザーは、切り捨てられる運命なのです。
巨人が動く時、地面にいる蟻は踏み潰される。SamsungのSATA撤退は、PCパーツが高騰する暗黒時代の、決定的な合図になるかもしれません。
「SATA SSDなんて時代遅れ」は間違い
自作PCガチ勢からすればこう思うかもしれません。「SATA SSDなんて時代遅れだろ?」「今さら2.5インチなんて使わねーよ」と。
今どきのマザーボードならM.2スロットがいくつも付いていますし、配線もいらないし速度も爆速。わざわざ遅くてケーブルが邪魔なSATAを選ぶ理由なんて、趣味の問題でしょう?
それが大きな間違いです。市場のデータは全く逆の真実を語っています。
依然として根強い人気
実はSATA SSDは、依然として根強い人気を誇っています。
Amazonなどの主要な通販サイトのランキングを見てみてください。売れ筋の上位には、常にSATA SSDが堂々とランクインしています。
「古いPCを爆速化!」みたいな謳い文句でよく見ます。
予算を抑えたバジェット構成や、数年前に買ったPCのHDDを換装するアップグレード需要において、SATA SSDは今でも主役なのです。
実家の親のPCを直す時とか、とりあえずSATA SSDを買います。
つまりSATA SSDは、マニアのおもちゃではなく、一般庶民のPCライフを支えるインフラなのです。
そのインフラを支えている最大の供給者であるSamsungが、市場から去ろうとしています。大黒柱が抜けるようなものです。
SSD市場全体への影響
リーカーのトム氏はこう警告しています。
「Samsungのような主要サプライヤーがこのセグメントから消えれば、供給が一気に逼迫する」
供給が減れば、当然、価格は上がります。
しかも、ただSATA SSDが高くなるだけでは済まない可能性があります。トム氏は「ボード全体」、つまりSSD市場全体に価格上昇圧力がかかると予測しているのです。
M.2 SSDも巻き添えということです。
安いSATAという選択肢が消えれば、ユーザーは高いM.2や他の製品に流れます。そうなれば全体的に需要過多になり、全てのSSD価格が押し上げられるドミノ倒しが起きます。
少なくとも短期的・中期的には、ストレージ全体の相場が値上げトレンドに突入するのは避けられないでしょう。
「安くPCを直す」という逃げ道さえ塞がれるのです。庶民の味方だったSATA SSDが、高級品になってしまう日が来るかもしれません。
なぜNVMe SSDまで値上がりするのか
ここで疑問に思うでしょう。「SATAが消えるのは分かった。でも、なんでそれが最新のNVMe SSDの値上げに繋がるんだ?」
ガラケーが生産終了したからって、スマホが値上がりしたりしません。
それが違うのです。リーカーのトム氏は、この問題の本質をこう指摘しています。
「技術的に時代遅れかどうかは問題ではない。重要なのは、それがいまだにどれだけの供給量を占めているかだ」
衝撃的なデータ:市場の20%
衝撃的なデータがあります。
AmazonのSSDベストセラーランキングを見てみると、実はおよそ20%がいまだにSATAベースのSSDで占められているのです。
全体の2割。5人に1人は、まだあのお弁当箱みたいなSSDを買っています。
そして、その「20%」の中身を見てみると、かなりの割合をSamsung製ドライブが占めています。870 EVOとかQVOとか。
つまり、Samsungが撤退するということは、市場に出回っているSSD全体の供給量のうち、巨大な一部分をごっそり引き抜くことを意味します。
巨大な穴が開きます。
恐怖のドミノ倒し
ここからが恐怖のドミノ倒しです。
市場から大量の製品が消滅します。でも、HDDをSSDに換えたいという需要や、安価なストレージを求める客は消えません。みんな保存容量は欲しいのです。
するとどうなるか?
行き場を失った需要は、残った少ないSATA SSDや、あるいはNVMe SSDへと雪崩れ込みます。
「SATAがないならM.2を買うしかないか」となれば、NVMe側の需要が急増します。需要が増えれば、当然価格は吊り上がります。
玉突き事故です。「SATAユーザーの話だから関係ない」と思っていたNVMeユーザーも、結局は高いお金を払わされることになるのです。
「全体の在庫」が減るというのは、そういうことです。
Samsungの撤退は、SATA市場だけの問題ではありません。SSD市場全体にかかっていた「安価な供給による重石」が外れ、価格が一気に上昇気流に乗ってしまうトリガーになり得るのです。
業界ベテランの予言
さらに、この不吉な予測を裏付ける、もう一人の重要人物がいます。メモリ業界のベテラン、デイブ・エグルストン氏です。
経験豊富な人が言うと説得力が違います。
彼は最近のポッドキャストで、聴衆からの質問に答える形でこう予言しました。
「次に価格が高騰するPCパーツは、間違いなくNAND SSDになるだろう」
メモリの次はSSD。PC自作ユーザーを殺しに来ているとしか思えません。
単なるブランド再編ではない
そして、ここからが非常に重要なポイントです。
リーカーのトム氏は、今回のSamsungの動きについて、「単なるブランドの再編とは根本的に違う」と強く強調しています。
よくある話なら、「Samsungブランドはやめるけど、中身の部品は他のメーカーに卸し続けますよ」とか、「別ブランドで売り続けますよ」となります。名前が変わるだけなら、供給量は変わりません。
だが今回は違います。
情報筋によると、Samsungは既存の契約分を履行し終えたら、SATA SSDの生産を完全に終了する計画です。
完全に、ゼロにするということです。
中身のNANDフラッシュを他の消費者向けブランドに流すわけでもありません。つまり、これは見せかけの変更ではなく、世界中からSATA SSDの在庫が物理的に減る、真の供給削減なのです。
蛇口をひねるどころか、水道管を撤去しちゃうレベルです。
パニック買いの発生
これが何を引き起こすか。物がなくなるのですから、取り合いになります。
トム氏はパニック買いの発生を警告しています。
特に、古いシステムを維持しなければならない企業のIT担当者や、SATAインターフェースに依存しているシステムビルダーたちが発狂します。
「業務用のPCが動かなくなる!」と焦ります。
彼らは「なくなる前に確保しろ!」と、市場にある在庫を根こそぎ買い占めに走るでしょう。企業が本気で買い占めに動けば、私たち個人ユーザーが買える分なんて一瞬で蒸発します。
トイレットペーパー騒動のデジタル版が起きるのです。
このパニック需要が、短期的な価格高騰をさらに増幅させます。「Samsungがやめるらしい」という噂だけで相場が跳ね上がり、実際に生産が終わればさらに上がります。
SATA SSDが必要な人にとっては、これから地獄のような争奪戦が始まるかもしれません。
Micron撤退との決定的な違い
なぜ冒頭で「今回の件は、MicronがCrucialメモリをやめた時よりヤバい」と言ったのか。その理由をはっきりさせておきましょう。
どちらも有名ブランドが消えるという点では同じ気がします。
トム氏の解説によれば、Micronの件は、市場への影響という意味では象徴的なものに過ぎませんでした。
Micronは「Crucial」という看板を下ろしただけで、チップ自体の製造をやめたわけではなかったのです。彼らはSamsungやSK Hynixと同じように、G.SkillやADATAといったサードパーティのメーカーにチップを供給し続けました。
「Crucial」という箱に入ったメモリはなくなったけど、中身のMicron製チップは他のメーカーの製品として売られ続けたのです。
だから、世界全体で見れば「メモリの総量」はほとんど変わりませんでした。看板が変わっただけで、店は営業していたようなものです。
今回は次元が違う
でも、今回は違います。Samsungの場合は次元が違うのです。
彼らはSATA SSDという完成品のカテゴリそのものを消滅させようとしています。中身を他社に売るわけでもありません。
世界最大級のNANDサプライヤーが、その膨大な供給能力をSATA市場から完全に引き上げるのです。
これは「誰が売るか」というブランドの問題ではなく、「市場にいくつ製品があるか」という物理的な数が激減することを意味します。
店そのものが更地になるのです。
だからこそ、消費者にとってより悪い状況なのです。供給元が断たれれば、価格調整の余地もなくなります。
遠い未来には光も
もう絶望しかないのでしょうか?一生高いままなのでしょうか?
一応、遠い未来には光も見えています。
業界の予測では、2027年頃になれば、価格圧力は再び緩和されるだろうと言われています。
また出ました、2027年。
その頃になれば、メーカー各社が「ローカルAI」の処理や、「次世代ゲーム機」のために、再び高性能なコンシューマー向けハードウェアに注力し始めるからです。
PS6とかが出る頃には、またPCパーツも盛り上がるということです。
高速なSSDや大容量メモリが標準化されて、生産効率も上がるでしょう。
しかし安価なSATA時代は戻らない
だが、トム氏は最後に冷徹な事実を突きつけています。
「SSDの価格自体は下がるかもしれない。だが、安価なSATA SSDの時代が戻ってくることは二度とないだろう」
特にSamsungの安くて良いSATA SSDは、もう歴史の教科書に載る存在になります。
まとめ:今がラストチャンス
だから、もし古いPCを延命させたいなら、あるいは予備のストレージが欲しいなら。
市場から在庫が消え、パニック買いが始まる前の「今」が、本当のラストチャンスです。
後悔先に立たず。ストレージの確保は計画的に。
Samsungの撤退は、SATA SSD市場だけの問題ではありません。SSD市場全体の価格構造を揺るがす、歴史的な転換点になる可能性があります。
安価で信頼性の高いストレージという、PCユーザーの当たり前が消えようとしています。
18ヶ月にわたる値上げ地獄。その前に、できることをやっておきましょう。


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