自作PC界隈は終了なのか?2026年のパーツ価格崩壊を徹底解説

PCパーツ

ここ最近のメモリとかSSDの高騰具合を見ると、もう自作PC界隈は終わりなのでしょうか?

確かに、今自作PC界隈はとんでもない危機が迫っています。「高いけど買えなくはない」というレベルを超えて、「貴族の遊び」に戻りつつあるのです。

メモリ:1ヶ月で2.8倍の狂気

まず、言うまでもなくメモリの異常な高騰です。これが今、自作ユーザーの息の根を止めにかかっています。

11月の時点では、大きく値上がりしていたのは大容量モデルに限られていました。だが、12月に入って状況が一変。容量に関係なく、一気に価格が跳ね上がったのです。

具体的な上昇率

DDR5メモリで見ると、11月からたった1ヶ月で:

  • 48GBの2枚組:約2.3倍
  • 32GBの2枚組:約2.8倍
  • 16GBの2枚組:約2.8倍

2.8倍です。株の大暴騰ではありません。たった1ヶ月でそんなに上がるのです。

具体的な金額

具体的な金額を聞けばもっと震えます。

Crucialブランドの例ですが、DDR5-5600の16GB×2枚組。これが原稿執筆時点で、平均5万3000円前後です。

16GBのセットなんて、ついこの前まで1万円台とか、セールならもっと安かったはずです。5万円は、ミドルレンジのグラボが買える値段です。

さらに:

  • 32GB×2枚組:10万円前後
  • 48GB×2枚組:18万円前後

メモリだけで10万円、18万円。もうそれ、パソコン一式組める金額です。メモリ一枚が高級ブランド品みたいになっています。

DDR4への逃げ道も塞がれる

「じゃあ古いDDR4で我慢するよ」という逃げ道も塞がれつつあります。

DDR4もDDR5ほどではないですが、同じ上昇傾向にあります。しかもDDR4は生産終了を発表するメーカーが増えているため、これからは「希少品」として値上がりが続くでしょう。

2028年まで続く地獄

この絶望的な状況を裏付けるのが、SK Hynixの内部報告です。

X上で拡散された資料によれば、消費者向けDRAMの不足は少なくとも2028年まで続く可能性があると警告されています。

過去にもメモリ不足や高騰はありました。だが今回は質が違います。

「頑張って増産して解消します」ではないのです。資料には「生産能力は過去の限定的な成長にとどまると予想される」と書かれています。

つまり、メーカーは意図的に供給を絞ったままにするつもりです。

庶民が気軽にパーツを買ってPCを組む。そんな「自作PC」という趣味自体が、これから数年間は成立しなくなるかもしれません。

SSD:Crucial撤退で1.5倍の衝撃

では、データの保存場所であるSSDはどうなのか。残念ながら、こっちもメモリに負けず劣らず絶望的です。

Crucialブランド撤退の衝撃

人気のハイエンドモデルである「Crucial T500」、「Samsung 990 PRO」、そして「WD_BLACK SN850X」。これら主要な製品の価格推移を追ってみましたが、結果は悲惨そのものでした。

特に衝撃的だったのが、Crucialです。

Crucialは、安くて性能も良くて、自作ユーザーの味方でした。そのCrucialに、とんでもない事件が起きました。

12月3日にブランド撤退の発表があった影響で、凄まじい駆け込み需要が発生したのです。

パニック買いで1.5倍に

11月の時点では在庫が潤沢にあって、「いつでも買える」状態だったのに、12月に入った途端に状況が一変。

容量に関係なく、価格が前月から1.5倍以上も跳ね上がりました。

1万円のが1万5千円、2万円のが3万円。撤退するから安売り、ではなく、最後だから奪い合いになっているのです。

信じられないほどの値上げです。

他メーカーにも波及

その波はライバルメーカーにも波及しています。

Samsungの「990 PRO」や、Western Digitalの「SN850X」も、すべての容量で価格上昇が確認されています。

Crucialがダメなら他を買おう、という人が流れているからです。結局どこに逃げても高いのです。

メモリと同じく、SSDも「値上がりの一途」を辿るのは確実です。ストレージを安く増設できた時代は、唐突に、そしてあっけなく終わりを告げました。

HDD:最後の砦も炎上中

「SSDが高いなら、初心に帰ってHDDを買えばいい!」

「安くて大容量」が取り柄のHDDなら、まだ私たちを見捨てていないはず。回転する円盤こそが正義、と思いたいところですが、甘いです。

その「最後の砦」である円盤市場も、すでに炎上中なのです。

定番モデルも急上昇

自作ユーザー御用達の定番モデル、「Western Digital WD Blue」と「Seagate Barracuda」。この人気の8TBモデルの価格をチェックしてみましたが、結果は無慈悲なものでした。

まずWD Blueは、11月の時点ですでに「大幅な値上げ」が行われています。そしてBarracudaの方も、12月に入ってから後を追うように価格が「急上昇」しました。

なぜHDDまで?

なぜでしょうか?HDDなんて遅いし、AIの計算には使えないはずです。

計算には使いませんが、保存には大量に必要なのです。

生成AIが吐き出す膨大な画像、動画、学習用のテキストデータ。これらを保管しておくための「巨大な倉庫」として、HDDの需要が爆発的に伸びていると見られています。

結局、AIが生み出したデータの山を片付けるために、HDDが買い占められているのです。

今後もこの傾向は続くため、HDDの価格上昇も止まらないでしょう。

逃げ場は、もうどこにもありません。

CPU:AMDが値上げ断行

「メモリとかSSDが高騰してるのは分かったけど、関係ないCPUなら流石に大丈夫でしょ?」

甘いです。アサイーベリーフラペチーノくらい甘いです。

実はCPU界隈にも、とんでもない値上げの波が押し寄せています。

Ryzen 9000シリーズも値上げ

例えばAMDの最新「Ryzen 9000シリーズ」。ここ数日のブラックフライデーセールでは、過去最安値を更新して大盛りあがりでした。

だが、そのパーティは終了です。

業界メディアのOverclock3Dが入手した情報によると、AMDはRyzen 9000、ならびに旧世代CPUの値上げを断行すると報じられています。

海外ではすでに、12月1日の深夜から新しい価格が適用され始めているそうです。

セールが終わった瞬間に値上げです。

原因はTSMCのウェハー価格

しかも、今回の値上げ理由はメモリ不足とは関係ありません。

TSMCのウェハー価格値上げ。つまり、製造コストそのものが高騰したことによるものだと指摘されています。

台湾の工場で大元の値段が上がってしまったら、もうどうしようもありません。

対象製品は、現行の9000シリーズだけでなく、一部の旧世代製品も含まれます。どの製品がどれくらい上がるかは不明ですが、製品によって値上げ幅が異なることだけは判明しています。

日本にはまだ猶予がある

だが、一つだけ朗報があります。

日本では、この値上げの波はまだ完全には来ていません。

海外での価格改定が日本市場に反映されるまでには、代理店の在庫状況などで少しタイムラグがあります。

CPUだけ変えたい、あるいは一式揃えたいなら、日本の価格が改定される前の今が、本当に最後のラストチャンスかもしれません。

グラボ:RTX 5070系が1週間で1万5千円アップ

特に、高性能ながら手頃な価格で人気だった「GeForce RTX 5070 Ti」と「RTX 5070」。この二つのモデルが今、DRAM価格高騰の直撃弾を受けて、急激な値上がりを記録しています。

黄金時代の終焉

RTX 50シリーズは、発売からもうすぐ1年経ちます。普通なら値段がこなれて、一番買いやすい時期のはずです。

実際、2025年11月末ごろまでは、各モデルとも最安値水準でした。

  • 発売時14万8800円だったRTX 5070 Tiは、12万6000円台まで下落
  • RTX 5070に至っては定価10万円オーバーのところ、8万2000円台で買える確変状態

8万円台で最新ミドルハイが買えていたのです。

だが、その黄金時代は唐突に終わりました。

たった1週間で1万5千円アップ

ここ最近のDRAM高騰が、グラボに搭載されているGDDR7メモリのコストも押し上げました。

その結果、RTX 5070 Tiの価格推移にとんでもない異常が発生しました。

たった1週間です。1週間足らずの間に、約1万5000円の値上がりが記録されました。

1週間待っただけで、高級焼肉食べ放題コースが3回分消えた計算です。

11月下旬までは12万5800円だったのが、12月15日現在では最安値が14万1980円まで跳ね上がっています。

元の定価に戻りつつあります。

最後の砦が崩れたら

しかも、この14万1980円という価格は、ドスパラが販売しているPalit製モデルでの話です。これが「最後の砦」になっています。

もしこのPalitの在庫が売り切れたら、次に安いのはMSIやGAINWARDのモデルになりますが、それらはすでに14万8800円です。

完全に定価リセット。最安モデルが1つ消えるだけで、実質的な市場価格はさらに数千円跳ね上がる状態なのです。

RTX 5070も1ヶ月で9千円アップ

弟分のRTX 5070も状況は同じです。

11月上旬には8万980円という神価格で売られていましたが、12月に入って流れが一変。じわじわと値上げが続き、たった1ヶ月で9000円も高くなり、今は最安値が約9万円に達しようとしています。

8万円で買えたものが9万円。コスパ最強のグラボだったのに、ただの「高い板」になってしまいました。

2026年1月からさらに地獄

そして、ここからが本当の地獄です。

NVIDIAは2025年12月から、RTX 50シリーズの出荷量を、前月比で50%以上減少させているという情報があります。

2026年1月からの本格的な値上げに備えるためだと言われています。

AMDもすでにGPU卸価格を約1.4万円値上げすると明言していますし、DRAMコストの高騰は止まりません。

つまり、今起きている値上げは「序章」に過ぎない可能性があります。

グラボの購入を迷っているなら、アドバイスは一つだけです。2026年のさらなる地獄を見る前に、在庫がある年内に確保してください。

マザーボードと電源は安定も…意味がない

「CPUやグラボは高いが、PCの土台となるマザーボードと電源ユニットは、比較的価格が安定していて安いぞ!」

載せるパーツが高すぎて買えないのに、土台だけ安くてどうするのでしょう。中身の入っていない高級な重箱だけ買って、「わぁ安い!」と喜ぶ人がどこにいるのでしょうか。

ただの光る板と、電気を送る鉄の箱です。PCとして動かなければただの産業廃棄物です。

過渡期の呪い

しかも運が悪いことに、今はPCパーツの歴史の中でも特に厄介な過渡期です。

DDR4メモリから、DDR5メモリへの完全移行期に当たってしまっています。

つまり、流用ができないのです。

普通なら「お金がないから、メモリは前のPCのDDR4をそのまま使って、CPUとマザーだけ新しくしよう」という節約術が使えます。自作の醍醐味です。

だが、最新のCPUを使いたければ、マザーボードも強制的にDDR5専用になるケースがほとんどです。物理的にスロットの形が違うため、手持ちのDDR4メモリは刺さりません。

CPUを新しくするなら、バカ高いDDR5メモリもセットで買わなければいけないということです。

残酷な二択

逆に、手持ちのDDR4メモリを活かそうとすれば、今度はCPUもマザーボードもひと世代前の古い規格を選ばなければいけません。

新品を買うのに、わざわざ型落ちを選べと?

  • 最新パーツで組むなら、全パーツをイチから高い値段で揃えろ
  • 安く済ませたいなら、未来のない旧世代パーツで我慢しろ

マザーボードが安いといっても、その選択肢は、この残酷な二択を私たちに突きつけているだけなのです。

自作PC界隈は終了するのか?

結局のところ自作PC界隈は終わってしまうのでしょうか?パーツが高すぎて誰も買えないなら、この趣味そのものが消滅してしまいます。

完全には終わらないが形は変わる

結論から言えば、完全には終わりません。だが、その「形」は劇的に変わるでしょう。

「最新パーツをふんだんに使って、ガラスケースの中でキラキラ光る豪華なパソコンを組む」

そんな「札束で殴るような自作」ができる時代は、残念ながら終わったと言っていいでしょう。

これからは魔境の時代

だが、逆に言えばこれからは魔境の時代です。

新品が買えないなら、中古市場やジャンク品があります。

  • リサイクルショップの青いコンテナを漁る
  • フリマアプリで型落ちパーツを競り落とす
  • 「最新のRyzen」ではなく、「数年前のCore i7」や「サーバー落ちのXeon」を拾ってくる

そうやって、ジャンク品や古い部品をツギハギして、いかに安く、いかにコスパ良く組めるか。

「30万円で最強PC」ではなく、「3万円で最新ゲームを動かす」みたいな、知恵と工夫と泥臭さが試される生存競争として、逆に盛り上がるかもしれません。

マッドマックスみたいな世紀末の世界観で、それはそれで熱いかもしれません。「拾った鉄くずで戦車を作る」みたいなロマンがあります。

新品ポン付けだけが自作ではありません。

DDR3の世界へようこそ

ただし、安さを追い求めすぎて、どんどん時代を遡っていったらどうなるでしょうか。

DDR5が高くて買えない、DDR4も在庫がない。気づいたら、緑色の基板剥き出しの「DDR3メモリ」を握りしめている……なんてことにならないでしょうか?

その時は、伝説の名機「Core i7-2600K」を愛する「Sandy Bridgeおじさん」達が、ニッコリ笑って手招きして待っています。

「こっちはまだ現役だぞ」と。

令和の、いや2026年の時代に、DDR3の世界まで戻りたくはありませんが、歴史は繰り返すのかもしれません。

まとめ:2026年からこうなります

2025年12月。この年末に起きているメモリ、ストレージの価格上昇は、まさに強烈の一言に尽きます。

そしてもっと絶望的なのは、2026年もこの状況が変わらないことが、業界内でほぼ確実視されていることです。

  • DDR5はAI特需でサーバー向けが中心となり、個人向けは枯渇する
  • 逃げ道のDDR4も、製造終了で在庫がなくなり枯渇する
  • SSDはCrucial撤退で供給減、他社も値上げ
  • HDDはAIデータ保存需要で上昇
  • CPUはTSMCウェハー価格で上昇
  • グラボはGDDR7高騰で上昇

過去にも何度かパーツの値上がりはありましたが、今回が今までと違うのは長期間に及びそうだという点です。

「待てば安くなる」が通用しません。

だからこそ、今、メモリやSSD、HDD、CPU、グラボを必要としている人へのアドバイスは一つしかありません。

1日でも早く確保してください。これに尽きます。

いつかまた、パーツが潤沢に市場に出回る平和な日が来ることを願うばかりですが、それが2028年になるのか、もっと先になるのか。今はまだ、暗いトンネルの中です。

自作PC界隈は「終了」するわけではありませんが、その姿は大きく変わろうとしています。札束で殴る時代から、知恵で戦う時代へ。

押し入れの古いパーツ、捨てずにとっておいた方がいいかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました