NVIDIAが「GeForce Hotfix Display Driver 595.76」を公開した。595.71をベースにした緊急修正版で、RTX 50シリーズで報告されていた電圧制限の問題に対応している。
ここ数日のドライバー騒動を振り返る
今回のリリースを理解するには、直近のドライバー騒動の経緯を整理しておく必要がある。
2月26日:595.59 WHQL公開 ファン制御の不具合が多数報告され、一部のRTX 50カードでブースト時の電圧が期待値より低く制限されているという報告も相次いだ。NVIDIAは595.59の配信を一時停止した。

3月2日:595.71 WHQL公開 595.59で発生したファン検出不具合・ファン停止問題が修正された。しかし電圧制限の問題は修正リストに含まれておらず、この時点ではNVIDIAの公式見解は出ていなかった。

3月4日:595.76ホットフィックス公開 電圧制限問題に特化した緊急修正ドライバーがリリース。わずか6日間で3本目のドライバーが出るという、異例の展開となった。
電圧制限はやはりバグだった
今回の修正内容の筆頭に挙がっているのが以下の項目だ。
オーバークロック時にGPU電圧がキャップされ、期待されるブーストレベルに到達できない問題
これはつまり、595.71以降に報告されていた「OC時のブーストクロックが伸びない」「電圧ヘッドルームが制限されている」という現象が、意図した動作ではなくドライバーのバグだったということをNVIDIAが認めたことを意味する。
実測で何が起きていたのか
電圧制限の問題を最初に詳しく報告したのはYouTubeチャンネル「Bang4BuckPC Gamer」だ。

OCなしのストック状態でも、新ドライバーでの電圧は旧ドライバーのOC時より低くなっているというのは注目に値する。単純に「OC制限」ではなく、ベースラインの電圧挙動そのものが変わっていた。
ゲーミング性能への影響という点では、595.59でバイオハザード レクイエムをベンチしたところ、旧ドライバーと比べて低いパフォーマンスを確認。
「意図的な制限」説も
問題が広まった当初、一部コミュニティでは「これはバグではなく、NVIDIAが意図的に導入した制限ではないか」という憶測が飛び交っていた。
根拠として挙げられていたのが、RTX 50シリーズで相次いでいた16ピン電源コネクタ(12V-2×6)の焼損・損傷事例だ。
「高電圧・高電力動作が続くことでコネクタに物理的ダメージが生じるのを防ぐため、NVIDIAがドライバー側で電圧に上限を設けたのではないか」という見方は一定の説得力があった。RTX 30・40シリーズで問題になったコネクタ事故が記憶に新しいだけに、余計にそう映ったのかもしれない。
しかし今回のホットフィックスが「電圧キャップをバグとして修正した」という形でリリースされたことで、この「意図的制限」説は否定された。16ピン対策としてドライバー電圧を下げていたのではなく、単純に実装ミスがあったということだ。
その他の修正内容
電圧問題以外にも複数の修正が含まれている。
- Resident Evil Requiem:サブサーフェススキャタリング有効時に白い光点が表示される問題の修正、およびパストレーシング性能の改善
- Star Citizen:ゲームクライアント起動時にクラッシュする問題の修正
- HDCP 1.x接続モニターでのDRMコンテンツ再生:ブラウザでのマルチキーDRMコンテンツ再生時に断続的なクラッシュやドライバータイムアウトが発生する問題の修正
ホットフィックスの注意点
NVIDIAはホットフィックスドライバーについて「影響を受けていないユーザーは通常のGame Readyブランチ(595.71)に留まることを推奨する」としている。ホットフィックスは特定の問題に絞った修正パッケージであり、通常のWHQL認証を経ていない。
電圧制限の問題が実際に出ていたユーザー、特にOCや高負荷環境でRTX 50シリーズを使っているユーザーは595.76への更新を推奨する。そうでない場合は、次の正式WHQLドライバーを待っても問題ない。
早期テストを行ったユーザーからは「595.76適用後に電圧挙動が正常に戻った」との報告が出ており、修正は有効と見られる。
ソースとダウンロード: NVIDIA

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