2026年3月4日、著名なGPUリーカーであるMEGAsizeGPUが、NVIDIAの新しいRTX 5050 SKUに関するリーク情報を報じた。まだ公式発表はなく、あくまでも未確認情報の段階だが、その内容はエントリークラスGPU市場に少なからず影響を与える可能性を秘めている。
現行RTX 5050の”GDDR6問題”

まず前提として、現在市販されているGeForce RTX 5050はRTX 50シリーズ全体の中で唯一のGDDR6搭載モデルだという点を押さえておきたい。RTX 5060以上のモデルがすべてGDDR7を採用する中、エントリーに位置するRTX 5050だけがGDDR6・128-bit・20Gbpsという旧世代構成に据え置かれている。メモリ帯域は320 GB/sと、同世代の他モデルと比べて明確な格差がある。
この状況に対してMEGAsizeGPU氏はツイートの中で率直に皮肉っている。
「NVIDIAは3GB GDDR7ダイを使って128-bit・12GBの5050/5060を作れることを知っている。なのに結果は5050 9GBだ」
今回の動きは、GDDR7ダイの供給をハイエンド帯に優先的に配分しつつ、エントリーには最小限の構成でGDDR7への移行を果たそうという戦略と見られる。
リークされたスペック:9GB・GDDR7・96-bit
今回のリークによると、新しいRTX 5050は以下の構成になるとされている。
| 現行 RTX 5050 | リーク版 RTX 5050 | |
|---|---|---|
| メモリ容量 | 8GB(2GB×4枚) | 9GB(3GB×3枚) |
| メモリ規格 | GDDR6 @ 20 Gbps | GDDR7 @ 28 Gbps(推定) |
| メモリバス | 128-bit | 96-bit |
| メモリ帯域 | 320 GB/s | 336 GB/s(+5%) |
構成の変化として最も目を引くのは、メモリバスが128-bitから96-bitへと縮小される点だ。3GBモジュール×3枚という奇数モジュール構成は、通常の偶数モジュール設計とは異なるアーキテクチャを必要とする。帯域幅だけを見れば、GDDR7(28Gbps想定)への切り替えによってGDDR6・128-bit構成の320 GB/sから336 GB/sへとわずかに改善されるが、その差はわずか5%にとどまる。
容量面では8GBから9GBへと1GB増えることになるが、これが実質的なゲーム体験にどの程度の差をもたらすかは疑問が残る。昨今の重量級タイトルでは10GB以上のVRAMを要求するケースも増えており、9GBという中途半端な数字がどこまでユーザーの訴求につながるかは微妙なところだ。
RTX 5060のGB205移行も同時に計画か
MEGAsizeGPU氏はRTX 5050の新SKUだけでなく、RTX 5060についても重大な変更を示唆している。現行のRTX 5060はGB206ダイをベースとしているが、今後のSKUではRTX 5070に使用されているGB205ダイへの切り替えが検討されているという。
氏のツイートによれば、経緯はこうだ。
「NVIDIAはAIC(基板パートナー)にRTX 5060 Tiの8GB版を大量に押し込んだ後、”しまった、5060向けのGB206が足りない”と気づいた。その解決策がGB205ベースの5060だ。AICs(基板パートナー)は8ピンコネクタを搭載したGB205用の新しいPCB設計を強いられることになる。実質的に5070のPCBに8ピンを付けただけだ」
この変更によって、RTX 5060はGB205の6144 CUDAコア・192-bitバスを削減した形で実装されることになる。具体的にはCUDAコアを3840、メモリバスを128-bitに絞った構成だ。なお、VideoCardzはこれらの非標準SKUが特定市場向けに限定される可能性が高く、グローバルでの大規模展開にはならないだろうと注記している。
また同じリークの中で、以前の流出資料にも名前が挙がっていたRTX 5060 12GBについては、正式にキャンセルされたと伝えられている。
NVIDIAの思惑はどこにあるのか
一連のリークをまとめると、NVIDIAがRTX 50シリーズのラインナップ整理に動いている姿が見えてくる。GDDR7メモリモジュールの供給制約が続く中、3GBダイを活用してエントリークラスにもGDDR7を浸透させつつ、コストを抑える構成として96-bit・9GBという組み合わせが生まれたのだろう。
ただし、消費者視点で見れば釈然としない部分が多い。12GBのGDDR7版を作れる技術的条件が揃っているにもかかわらず、9GBという選択がなされた背景には明確なマージン管理の意図が透けて見える。RTX 5060 12GBのキャンセルもあわせて考えると、NVIDIAがVRAM容量の上限を意図的にコントロールし、ラインナップの棲み分けを維持しようとしているとも解釈できる。
まとめ
今回のリークが正確であれば、RTX 5050の新SKUはGDDR6問題を解消しつつも、最小限のコスト増でGDDR7移行を果たすという割り切った設計になる。RTX 50シリーズで唯一のGDDR6モデルという不名誉な立場は脱するが、96-bit・9GBという構成がユーザーにとって魅力的かどうかは価格次第だ。
NVIDIAの公式発表がいつになるかも未定だが、RTX 5060 GB205版の動向とあわせて引き続き注目したい。
参考ソース
・NVIDIA reportedly plans GeForce RTX 5050 with 9GB memory and 96-bit bus

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