Windows 11通知センターのカレンダー機能が激重に?WebView2化の衝撃

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Windows 10にあった機能が「重くなって」復活

Windows 11の右下にある「通知センター」。次のアップデートで、ここにカレンダーのアジェンダ(予定表)機能が追加されることになりました。

「便利そうじゃない!」と思うかもしれません。確かに、いちいちカレンダーアプリを開かなくても予定が確認できるのは便利です。

しかし、ここに重大な問題があります。

実はこの機能、Windows 10の時代には標準で備わっていたものです。Windows 11になった時に削除されて不便になっていたのが、数年の時を経てようやく帰ってくる……はずでした。

問題は「中身」です。

WebView2という悪魔

今回復活するアジェンダ機能は、Windowsのネイティブ機能(元からあるプログラム)ではありません。「WebView2(ウェブビュー・ツー)」で作られていることが判明しました。

WebView2とは何か?簡単に言えば、「Edgeブラウザの部品」です。

つまり、通知センターで予定を見るためだけに、裏でWebブラウザを起動して、OutlookのWebサイトを表示しているようなものなのです。

ただの日付と予定のテキストを表示するだけなのに、わざわざブラウザエンジンを回す――これをWindows Latestでは「Web crapper(ウェブ・クラッパー)」と呼んで酷評しています。直訳すれば「ゴミのようなWebアプリ」です。

衝撃の数値:CPU 20%、メモリ130MB

テスト版を使った人の報告によると、このアジェンダ機能を開いた瞬間、タスクマネージャーで「WebView2」のプロセスが急激にスパイク(急上昇)するそうです。

具体的な数値を見てみましょう。

CPU使用率の爆発

「Windows Shell Experience Host」というプロセス(Windowsの見た目や基本機能を司る重要なプロセス)のCPU使用率が、アイドル状態から一気に6%から20%まで急上昇します。

たかがカレンダーを表示するだけで、CPUの5分の1を持っていくのです。

そのプロセスの詳細を展開すると、中から「WebView2」のプロセスが大量に出現しています。親亀(シェル)の下に大量の子亀(Edge)がぶら下がっている状態――完全にシステムの中にブラウザが寄生しているのです。

メモリ使用量130倍

さらに衝撃的なのがメモリです。

クリックする前は約1MBだったメインホストのメモリ使用量が、開いた瞬間に130MB以上にまで爆発的に膨れ上がります。

130倍です。

「明日の予定は会議です」という数行のテキストを表示するためだけに、メモリを130メガも食う――昔のWindowsならOSが丸ごと動く容量です。

GPUプロセスまで起動

タスクマネージャーの奥深くを覗くと、ホストプロセスの中に「GPUプロセス」「レンダラー」「ユーティリティ」といった項目がハッキリと確認できます。

カレンダーを表示するのに、なぜGPUプロセスまで必要なのでしょうか?

これらは、Microsoft EdgeのWebView2が画面を描画するために必須の標準コンポーネントです。通知センターをクリックした瞬間、これらの重たいプロセス部隊が総出で叩き起こされ、アジェンダの描画にかかるわけです。

一応の節約努力はある

Microsoftも鬼ではありません。一応、リソースを節約するための涙ぐましい努力はしています。

通知センターを閉じると、Windowsは即座にこれらのコンポーネントをスリープ状態に戻します。閉じた瞬間にGPUプロセスなどが「一時停止」マークに切り替わり、CPUやメモリの消費がほぼゼロに戻ることが確認されています。

つまり「常に重い」わけではなく、あくまで「開いた瞬間だけ激重になる」という仕様です。

なぜネイティブで作らないのか

おそらく、OutlookのWeb版とコードを共通化して、開発を楽にしたいのでしょう。ユーザーのPCリソースを無駄遣いしてでも、自分たちの管理を楽にする――これぞMicrosoft流の「効率化」です。

ネイティブに感じられない違和感

多くのユーザーがWebView2やElectronといったWebベースのアプリを嫌う理由は、重さだけではありません。「ネイティブに感じられない(Windows本来のアプリっぽくない)」という、感覚的な気持ち悪さが大きいのです。

表示されているフォントをよく見ると、Windows標準のクッキリしたフォントではなく、Webサイトでよく見るような、ちょっと安っぽいレンダリングになっています。この「借り物感」「コレジャナイ感」が、PCに詳しいユーザーほど気になるそうです。

機能自体は悪くない

ここまでボロクソに言ってきましたが、Microsoftの名誉のためにも擁護しておきましょう。

UIは良好

技術的な中身はともかく、この「アジェンダビュー」という機能そのものは、Windows 10時代と同じくらい良いものになるはずです。

デザインは非常にすっきりしていて、これからの予定が時系列で綺麗に並んでくれます。無駄な装飾を削ぎ落としたシンプルなデザインは、仕事中にサッと確認するのに最適です。

Teams会議への直接参加

文句なしに便利な変更点もあります。アジェンダビューからTeamsの会議に直接参加できるようになるのです。

今までは、カレンダーを開いて、リンクを探して、クリックして……という手間がありました。これからは通知センターを開いて、その場のボタンをポチッと押すだけで会議室に飛び込めます。

遅刻ギリギリの社畜にとっては、数秒を短縮できる神機能になるかもしれません。

AI機能もついてくる

ただし、Microsoftらしい余計なお世話もついてきます。それが「AI関連機能」です。

リストにあるアジェンダの一つをクリックすると、そこから「Microsoft 365 Copilot」にアクセスできるようになる予定です。会議の予定を見るたびに、AIが「何か手伝いましょうか?」と顔を出してきます。

安心してください。これはあくまで「オプションの追加」です。Copilotを使いたくないなら、無視すればいいだけです。

一般ユーザーは気にしない?

冷静な事実も伝えておきましょう。アジェンダビューがバグらずに意図した通りに動く限り、一般ユーザーはそこまで気にしないと思います。

一瞬だけの負荷ですし、メモリ使用量も増えるとはいえ100MB程度。今のPCは16GBや32GBのメモリを積んでいるのが当たり前です。正直、100MB増えたところで、PCが爆発するわけではありません。

現代のPCスペックなら、この程度の増加は「誤差」として耐えられるレベルです。

チリも積もれば山となる

しかし、問題は「チリも積もれば山となる」ということです。

今のWindows環境を見渡してみてください。

  • 仕事で使う「Teams」
  • 連絡に使う「WhatsApp」
  • ゲーマー御用達の「Discord」

こいつら全員、中身は何で作られているかご存知ですか?

そう、全員WebView2やElectronを使ったWebベースのアプリです。こいつらは平気で数ギガバイトのメモリを食い荒らします。Discord自身も「リソースを大量に消費している」と認めているくらいです。

OSの基本姿勢が問われる

ただでさえメモリ価格が高騰しているこのご時世に、アプリ側が富豪的な使い方をするのは、業界のトレンドとして百歩譲って認めましょう。開発も楽だし、マルチプラットフォーム対応もしやすいからです。

だが、OS自体の姿勢が問題です。

アプリが重いなら、その土台となるOS(Windows)の基本機能くらいは、カリカリにチューニングして軽くあるべきではないでしょうか?

通知センターなんて、OSの中でも最も基本的で重要な機能の一つです。それをネイティブコンポーネントで作るのは、Microsoftほどの技術力を持ってしても、そんなに難しいことなのでしょうか?

絶対できるはずです。昔はできていたのですから。

ユーザーの怒りの声

海外ユーザーたちの愛ある(?)コメントを紹介しましょう。

「Windows 7を返してくれ。ありがとう」

「彼らは今、意図的にめちゃくちゃにしているんだ。そうすれば将来、それを『直した』時に称賛されるからな」

「複数のプラットフォーム(Web、Windows、Mac)で動くアプリなら『ポータブル』な作り方をするのは分かる。だが、Windows OSは一つだけだろ?ネイティブでタイトに(無駄なく)書く価値はあるはずだ。数億人のユーザー体験よりも、数百人の『開発者の楽さ』を優先した悪い選択だ」

「もしソフトウェアが『計画的陳腐化(わざと古く重くする)』で作られていなかったら、どうやって新しいSurfaceやライセンスを売るんだ?古いハードウェアが追いつけなくなる=新品を買う=その繰り返しさ」

「まずは大規模なデブロート(贅肉落とし)をしろ。Edgeを完全に削除させろ。Xboxゲームバーも、Cortanaも、Copilotも消させろ」

「Linux Mint」 もはや解決策は一言で済む、というLinuxへの移住勧告。

まとめ

ユーザーが求めているのは「軽くて、速くて、自分の思い通りになるPC」です。

Microsoftが「開発の効率」や「AIの押し売り」を優先する限り、この溝は埋まりそうにありません。

「どうせ今のPCなら動くでしょ?」という甘えが見え隠れするのが癪に障ります。Microsoftには、WebView2を極限まで最適化するか、あるいは初心に帰ってネイティブで作るか、どちらかの誠意を見せてほしいものです。

メモリはお金がかかります。OS側で節約してくれないと困ります。

2026年の「パフォーマンス改善」の約束、本当に守ってくれることを祈るしかありません。それまでは、タスクマネージャーとにらめっこしながら、WebView2の増殖を見守ることにしましょう。

Windows 11’s “Agenda” view in the Notification Center is a WebView2 (web app component), not native

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