Microsoft「みんなCopilotを求めている」発言が物議を醸す

Windows

「皆さんの声を聞きました」投稿が炎上

MicrosoftがSNS(X/旧Twitter)に投稿した内容が、大きな議論を呼んでいます。

Windows 11やEdgeブラウザに「Copilot for work(仕事用コパイロット)」を統合することについて、Microsoftは次のように説明しました:

この投稿に対し、世界中のWindowsユーザーから多数のコメントが寄せられる事態となっています。

ユーザーの反応:「聞き間違いでは?」

投稿に寄せられたコメントの中で、特に多くの共感を集めたのが以下のような意見です:

代表的なコメント

「You heard wrong.(聞き間違いだと思います)」

多くのユーザーが、この機能を積極的に求めていたわけではないと指摘しています。

「チャットボットを無理やり突きつけられる必要はない」

あるベテランユーザーは、自分のワークフローを尊重してほしいという趣旨のコメントを投稿。プロフェッショナルであればあるほど、独自の仕事の進め方を持っているため、頼んでいない支援機能は「お節介」に感じられることがあるようです。

「削除方法を知りたい」

「AIの使い方ではなく、AIの消し方が知りたい」というコメントも多数見られました。

Copilot Modeとは?

今回話題になっている「Copilot Mode」は、競合の「Perplexity」や「ChatGPT」に対抗した機能です。AIが質問に答えるだけでなく、ユーザーの代わりにタスクを代行する「エージェント機能」を備えています。

問題点として指摘されていること

  • 消費者向けのデフォルト(初期設定)がオンになっている
  • オフにするには設定画面の奥まで行く必要がある
  • 仕事中に割り込まれると生産性が下がる可能性

コミュニティノートが付く事態に

さらに事態を複雑にしたのが、Microsoftの「Safe for work(仕事でも安全)」という宣伝文句に対し、X(旧Twitter)のコミュニティノートが追加されたことです。

ノートの内容

セキュリティ研究でも「AI経由のデータ漏洩」は新たな脅威として認識されており、入力データが学習に使われたり、情報を引き出されたりするリスクが指摘されています。

企業の視点とユーザーの視点のギャップ

この騒動は、企業が考える「便利な機能」と、ユーザーが実際に求めているものの間に、大きなギャップがあることを浮き彫りにしました。

Microsoft側の主張

  • 仕事でも安全に使えるAIブラウジング
  • タスクの代行による生産性向上
  • 最新技術の提供

ユーザー側の要望

  • 勝手に設定を変えない安定したブラウザ
  • 仕事の邪魔をしない静かなOS
  • シンプルで軽快な動作

警告文削除の計画も物議に

さらに議論を呼んでいるのが、Microsoftが「AIは間違いを犯す可能性があります」という警告文を削除する計画があるという報道です。

Microsoft 365 Copilot drops “AI can make mistakes” alert by default

理由として「気が散る(distracting)」ためとされていますが、この警告文はユーザーがAIの出力を鵜呑みにしないための重要な注意喚起でした。

AI部門トップの発言も波紋

MicrosoftのAI部門トップ、ムスタファ・スレイマンCEOの発言も話題になっています。

彼はXで次のように述べました:

「世の中には皮肉屋が多すぎる。AIが期待外れだという意見を聞くと驚いてしまう。ノキアのヘビゲームで育った世代からすれば、流暢に会話できて動画も画像も作れるAIは驚異的だ」

この発言への反応

多くのユーザーは「技術がすごくない」とは言っていません。指摘されているのは:

  • すごい技術でも、使い勝手が悪ければ意味がない
  • 勝手に起動したり邪魔をしたりするのが問題
  • 「欲しい時に使える」のと「常に出現する」のは違う

「技術的な進化」と「ユーザー体験(UX)」は別物であり、どれだけAIが賢くても使いづらければ評価されないという意見が多数見られます。

部門間の認識のずれ

興味深いのは、このCEOの発言が、Windows部門トップが「ユーザーの声を聞きます」「信頼性を改善します」と火消しをした直後だったこと。

社内でも認識が統一されていない可能性が指摘されています。

本当に求められているもの

今回の騒動から見えてくるのは、多くのユーザーが求めているのは:

安定性 – 勝手に設定を変えないOS
シンプルさ – 余計な機能は不要
選択の自由 – 使いたい人だけが使える仕組み
透明性 – データの扱いが明確

企業の対応に注目

Microsoftは多くのコメントの中から、肯定的な意見にのみ返信している様子も見られます。これは「チェリーピッキング(都合の良い情報だけを選ぶこと)」ではないかという指摘もあります。

今後、Microsoftがこれらの声にどう応えていくのか、注目が集まっています。

まとめ:コミュニケーションの重要性

今回の騒動は、企業とユーザーのコミュニケーションの難しさを示しています。

  • 技術的に優れていることと、ユーザーに受け入れられることは別
  • 「みんなが求めている」という前提は、実際のフィードバックに基づくべき
  • デフォルトでオンにする前に、ユーザーの意見を聞く姿勢が重要

AIは確かに革新的な技術です。しかし、その導入方法や提供の仕方によって、評価は大きく変わります。

「便利な機能」と「押し付け」の境界線をどこに引くか──これは、すべてのテクノロジー企業が直面している課題なのかもしれません。


ユーザーと企業、双方が納得できる落としどころを見つけることが、今後の鍵となりそうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました