メモ帳が「意識高い系」になった日
Windows 11の最新アップデートで、シンプルさが取り柄だった「メモ帳」に衝撃的な機能が追加されました。なんと表(テーブル)が作れるようになったのです。
ツールバーのボタンを押せば、「3×4」のように行列を指定して表を挿入可能。右クリックで行を追加・削除したり、ウィンドウ幅に合わせて表を伸ばしたりもできます。
しかし、一部のユーザーは疑問を抱いています──「それ、誰が求めてんの?」

最大の矛盾:ワードパッドを殺してメモ帳をワードパッド化
ここで浮かぶ最大の疑問があります。
「太字や色が使えて」「表も作れて」「画像も貼れる」──これって、少し前にWindowsから削除された「ワードパッド」そのものじゃないでしょうか?

ワードパッド削除の経緯
2023年9月: 「将来のWindowsリリースからワードパッドを削除する」と発表
2024年1月: Windows 11プレビュー版からワードパッドが消滅
Windows 11(24H2): 正式に削除、再インストールも不可能に
長年親しまれた軽快な簡易ワープロが、「役割を終えた」として完全に削除されました。
そして数ヶ月後…
ワードパッドを「いらない子」扱いして消しておきながら、その数ヶ月後にメモ帳を「ワードパッド化」させている──これが今起きている現実です。
ワードパッド削除の「本当の理由」
Microsoftの公式見解はこうです:
「.docや.rtfなどのリッチテキスト文書には、Microsoft Wordを使ってください」
「.txtなどのプレーンテキスト文書には、メモ帳を使ってください」
一見もっともらしい説明ですが、本音は別のところにあります。
「便利すぎて消された」真実
ワードパッドは「帯に短し襷に長し」どころか、「無料でそこそこ使える丁度いい奴」でした。
- 起動が速い
- Word持ってない人でもリッチテキスト(.rtf)が扱える
- 文書作成の基本機能は十分
つまり、Office 365のサブスクリプションを売りたいMicrosoftにとって、目の上のたんこぶだったのです。
「中間の無料ソフト」があると、有料のWordを買ってくれない。だから削除した──これが本当の理由でしょう。
支離滅裂な戦略
しかし、ここで矛盾が生じます。
- ワードパッドを削除 → ユーザーをWordに誘導したい
- メモ帳に機能追加 → 結局「簡易ワードパッド」を作っている
やってることがちぐはぐ
- ワードパッドを消して
- メモ帳を重くしただけ
誰が得したのか?
- 得した: Wordが売れる(と信じている)Microsoft
- 損した: 使い慣れたツールを奪われ、重くなったメモ帳を押し付けられたユーザー
「シンプルなメモ帳」と「高機能なワードパッド」で住み分けできていたのに、それを破壊してメモ帳に全部詰め込もうとしています。
結果、「軽快なメモ帳」は死んで、「使いにくい偽ワード」が爆誕しました。
ユーザーが求めているもの
Microsoftは「Copilot(AI)との連携」など高尚なことを言っていますが、ユーザーが求めているのは「0.1秒で起動するただの白い画面」です。
メモ帳に求められていたもの
・シンプル
・軽快
・一瞬で起動
・余計な機能なし
追加された不要な機能
❌ 表の作成
❌ タブ機能
❌ AI連携
❌ ゴチャゴチャしたツールバー
Microsoftは機能を追加することで「進化」だと考えているようですが、シンプルさこそがメモ帳の唯一の取り柄でした。
Copilot機能の「黒い本音」
新メモ帳には「Rewrite(書き換え)」機能があります。選択したテキストをAIが書き直したり、トーンを変えたりする便利そうな機能です。
しかし、実際に使おうとすると…
画面に表示されるメッセージ
「サブスクリプションが必要です」
値上げされたばかりのMicrosoft 365の契約画面に強制連行されます。

つまり…
標準アプリの機能なのに、追加料金が必要なのです。
メモ帳のツールバーにあるキラキラしたアイコンは、機能というより「有料プランへの巨大な広告バナー」が常に表示されているのと同じ。

昔ながらのメモ帳を使う方法【解決策】
実は、Windows 11にはクラシック版メモ帳がこっそり内蔵されています。
設定方法(簡単)
- 設定アプリを開く
- 検索ボックスに「エイリアス」と入力
- 「アプリ実行エイリアス」をクリック
- 一覧から「メモ帳」を探す
- スイッチを「オフ」にする
起動方法
- Windowsキー + Rを押す
- 「notepad」と入力してEnter
結果
タブがない、歯車アイコンもない、起動が一瞬の懐かしいメモ帳が起動します!

注意点:余計なお世話
画面上部に常に以下のバナーが表示されます:
「新しいバージョンのメモ帳が利用可能です」
このバナーは簡単には消せません。しかも、うっかり「起動」ボタンを押すと、クラシック版が終了して強制的にモダン版が起動します。
執念深い誘導ですが、バナーさえ我慢すれば、爆速で起動する純粋なテキストエディタとして使えます。
Microsoftの意図は?
一連の動きから見えてくるMicrosoftの意図:
- ワードパッドを削除 → Wordのサブスク契約を増やしたい
- メモ帳に機能追加 → でも無料では使わせない
- AI機能で誘導 → 有料プランに加入させたい
- クラシック版を残す → 批判を避けるため
結局のところ、すべてはサブスクリプション収益を増やすための戦略と言えるでしょう。
まとめ:ユーザー不在の開発
問題の本質
- 使い慣れたツール(ワードパッド)を削除
- シンプルなツール(メモ帳)を肥大化
- 有料プランへの誘導を強化
- ユーザーの声は無視
ユーザーができること
クラシック版メモ帳を使う(上記の方法で)
サードパーティの軽量エディタを探す
Microsoftにフィードバックを送る
「機能追加なんてしなくていいから、お願いだからメモ帳を『そっとしておいて』ほしい」
これが多くのユーザーの本音ではないでしょうか。
Microsoftが「パフォーマンスへの影響はない」と言い張っても、機能が増えればメニューはごちゃつき、起動時の処理が増えるのは自明の理です。
シンプルさが唯一の取り柄だったメモ帳。その良さを理解していない開発姿勢に、失望せざるを得ません。
「0.1秒で起動するただの白い画面」──それだけでよかったのに。

コメント