MicrosoftがXbox向けAIアシスト特許を出願——詰まったらAIがゲームを代わりに操作

2024年にMicrosoftが出願した特許が、Xbox新CEOの就任をきっかけに注目を集めている。ボス戦やパズルで詰まったとき、AIまたは人間のヘルパーが一時的にゲームを引き継ぐという仕組みだ。


目次

概要

Microsoftが「STATE MANAGEMENT FOR VIDEO GAME HELP SESSIONS」という名称の特許を世界知的所有権機関(WIPO)に出願していたことが明らかになった。最初に発見・報告したのはTech4Gamersで、その後複数のゲームメディアが報道。近年のXboxブランドの変化——Phil SpencerのCEO退任と、AI畑出身のAsha Sharmaの新CEO就任——が重なり、改めて大きな注目を集めている。

ただし、特許の出願自体は2024年であり、Sharma氏の就任とは直接関係がない点は留意したい。


仕組み:どう動くのか

この特許が描くシステムは、クラウドベースのセッション管理が核心となっている。

プレイヤーがゲームの特定のセクションで詰まると、画面上にポップアップが表示される。「ヘルパーに操作を引き継がせますか?」という形だ。承認すると、AIモデルまたは事前承認済みの人間のヘルパーが一時的にゲームの操作権を引き受け、その場面をクリアしてみせる。ヘルパーはテキストチャットを通じて操作の意図や攻略のポイントを解説することもできる。セッションが終わると、制御はプレイヤーに戻る。

特許ではいくつかの具体例が挙げられている。RPGで希少アイテムを入手する場面、レーシングゲームで難しいコースを走り抜ける場面などが例示されており、ボス戦や謎解きといった難所での活用が想定されている。

Microsoftは現行の攻略サポート手段について「rather rudimentary(かなり原始的)」と評し、プレイを中断してYouTubeや攻略サイトを検索しなければならない現状の改善を目指していると述べている。


関連する4つの追加特許

この特許は単独ではなく、補完的な4つの特許とセットになっている。

① 年齢帯マッチング プレイヤーとヘルパーが同じ年齢層になるよう自動でマッチングする仕組み。子供に見知らぬ大人がアクセスするようなケースを防ぐための安全策だ。

② Achievementの扱い ヘルパーの補助を受けた状態でも、実績(Achievement)を取得できるようにする仕組みが含まれている。「自分でクリアしていないのにトロフィーを取るのはどうか」という議論への一つの回答だが、賛否両論は避けられないだろう。

③ 入力ガバナンス ヘルパーが操作権を持っている間に、セーブデータの削除やゲーム内課金といった本来許可されていない操作を行えないようにするフィルタリング機構。悪意ある操作や誤操作からプレイヤーを保護するための仕組みだ。

④ 機械学習モデルの訓練 人間ヘルパーではなくAIモデルがアシスタントとして機能できるよう、機械学習で学習・訓練するためのフレームワーク。


業界全体の流れ:SonyもAIアシストに動いている

この動きはMicrosoftだけではない。SonyはすでにPS5で「Game Help」機能を展開しており、ヒント動画を閲覧できる仕組みを提供している。さらにSonyも「Ghost Player」と呼ばれる類似コンセプトの特許を出願済みで、AIがプレイヤーの代わりに操作を引き受ける可能性を探っている。

コンソールメーカー2社がほぼ同時期に同じ方向へ向かっている事実は、業界トレンドとして見逃せない。ゲームのアクセシビリティ向上という文脈で、AIによるプレイアシストが「次の標準機能」になる可能性は十分にある。


実装されるのか?

重要な留保として、特許の出願は実装の約束ではない。テック大手が年間数千件の特許を出願するのはよく知られており、その多くが製品に反映されることなく終わる。

一方で、今回の特許は単独のアイデアにとどまらず、実運用を想定した4つの補完特許とセットになっている点は注目に値する。仕組みの細部まで設計されていることは、単なるアイデアの保護以上の意図を感じさせる。

また、新CEOのAsha Sharma氏がMicrosoft CoreAI Product部門の出身であることを踏まえると、このシステムが今後のXboxのロードマップに組み込まれる可能性は、他のどのタイミングよりも高いかもしれない。


まとめ

項目内容
特許名STATE MANAGEMENT FOR VIDEO GAME HELP SESSIONS
出願先WIPO(世界知的所有権機関)
出願時期2024年
核心機能AIまたは人間ヘルパーによる一時的なゲーム操作代行
関連特許年齢マッチング・Achievement管理・入力制限・AI訓練の4件
競合動向SonyもGhost Player特許を出願済み

この機能が現実になれば、「詰まったらYouTubeで検索」という10年以上続くプレイヤーの行動パターンが変わるかもしれない。ただし、ゲームの醍醐味である「自分でクリアする達成感」との兼ね合いをどう設計するかが、普及の鍵を握ることになるだろう。


参考ソース

・Tech4Gamers — https://tech4gamers.com/microsoft-patents-xbox-system-human-helpers/

・Windows Central — https://www.windowscentral.com/gaming/xbox/an-old-xbox-ai-patent-is-going-viral-for-the-wrong-reasons-assistive-tech-is-actually-one-of-the-best-use-case-scenarios-for-ai

・TheGamer — https://www.thegamer.com/microsoft-ai-play-games/

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この記事を書いた人

『らぼぷら』の編集兼運営者をしており、動画投稿含めすべてのコンテンツを執筆・編集しています。
中学時代から自作PCに熱中し、CPUやGPUの比較検証、冷却・静音チューニングまで幅広く研究してきました。
得意なことを活かしたい!という思いから、長年の趣味であるPC・ガジェット情報を発信する当サイトを開設!

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