世界最大級のSNS企業・Meta(旧Facebook)が、AI開発の資金を「詐欺広告」から得ていたことが、内部文書によって明らかになりました。
被害者は世界中で270万人以上、失われた金額は数十億ドル規模にのぼります。
それにもかかわらず、Metaは詐欺広告を完全に排除するつもりがなかったようです。
本記事では、その背景と構造を分かりやすく解説します。
Metaが隠していた「詐欺広告ビジネス」の実態
内部資料によると、Metaは自社収益の約10%以上を「詐欺まがい広告」から得ていたとされています。
これには、偽の投資案件、ブランド品の偽物、ディープフェイクを使った有名人詐欺などが含まれており、いずれも多くの被害者を生んでいました。
問題は、Metaがこれらを認識していながら放置していたことです。
同社の広告審査AIは、詐欺広告を高確率で検出できるにもかかわらず、あえて即時削除を避けていたといいます。
その理由は単純です。
詐欺広告を減らせば、AI研究やVR開発に回せる資金源が減ってしまうためです。
「詐欺対策よりAI投資」──Metaが下した優先順位
Metaは2023年、ブランド権利侵害を監視する重要なチームを全員解雇しました。
さらに、残された安全部門のスタッフには「計算資源の使用を制限するように」と命令しています。
つまり、詐欺対策に使われるリソースを削って、その分をAIやVR開発へと振り分けたのです。
2024年の内部文書では、「詐欺収益を毎年1〜3%ずつ減らし、2027年までに半減すれば良い」という緩やかな削減計画が記されていました。
被害者が増え続けている中で、あまりにも遅すぎる対応といえるでしょう。
「200億円以上の詐欺師は見逃せ」──収益優先の判断基準
2025年2月には、さらに衝撃的な方針が存在していたことが分かりました。
Metaは広告審査チームに対し、
「Metaの総収益の0.15%以上を失う可能性のあるBAN措置は実行してはならない」
という指示を出していたのです。
ロイターの試算によると、これはおよそ1億3500万ドル(約200億円)以上の価値がある詐欺アカウントを保護することを意味します。
つまり、「金払いの良い詐欺師はブロック禁止」という実態が存在していたというわけです。
「罰金よりも得」──計算ずくの放置
Metaはもちろん、規制当局からの罰金リスクを把握していました。
しかし内部文書では、「詐欺広告から得られる収益は、罰金の約3倍に相当する」と分析されていたといいます。
つまり、罰金を払ってでも詐欺広告を続けた方が儲かると判断していたのです。
Metaが真に恐れていたのは罰金ではなく、利益を没収される「Disgorgement(吐き出し)」措置でした。
利益を没収されない限り、同社が詐欺広告を完全に排除する理由はなかったのかもしれません。
規制当局すら無視された「詐欺通報」
Metaは一部の国の警察機関から詐欺通報を受けても、対応を拒否していたことが明らかになっています。
たとえば、シンガポール警察が146件の詐欺広告を通報した際、Metaは「違反が確認できたのは23%のみ」と回答。
残る77%については、
「ポリシーの“精神”には反しているが、“条文”には違反していない」
と主張して、削除を拒んだのです。
これは、まさに“ルールの穴”を利用した言い逃れといえるでしょう。
元幹部が語る「Metaの闇」と今後の提言
Metaの元詐欺対策責任者であるロブ・レザー氏は、現在のMetaについて「外部からはどれほど悪化しているか分からない」と警告しています。
同氏は、Metaが広告データを外部の研究者に提供しないことを問題視し、非営利団体「CollectiveMetrics.org」を立ち上げました。
目的は、各SNS企業の詐欺対策をスコア化し、透明性を高めることです。
レザー氏は次の2つの対策を提案しています。
- 詐欺広告をクリックしたユーザーに警告通知を送ること。
- 詐欺師から得た不正利益を、詐欺防止団体などへ寄付すること。
特に2つ目の「汚れた利益を社会に還元する」という提案は、多くの専門家から支持を集めています。
それでも残る「根本的な問題」
Metaの内部文書が示したのは、単なる倫理の欠如ではなく、広告依存型ビジネスの構造的な脆弱性です。
詐欺広告が消えないのは技術不足ではなく、「利益を最優先する設計」だから。
そしてその構造は、YouTubeやX(旧Twitter)など、他のプラットフォームにも共通しているのかもしれません。
今、私たちユーザーが本当に問うべきなのは、
「AIの進化の裏で、誰が犠牲になっているのか」という点ではないでしょうか。
Bombshell report exposes how Meta relied on scam ad profits to fund AI


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