Microsoftが機械学習で自動配信を認める
Microsoftが公式に、Windows 11の最新バージョン「25H2」を機械学習ベースのアプローチで自動ダウンロードさせると認めました。
響きはハイテクですが、要するに「トラブルが起きなさそうなPCを選別して、順次送り込む」というシステムです。
誰が対象になるのか
対象となるのは「管理されていないPC」、つまり企業のIT部門が管理していない一般家庭のPCです。
・HomeエディションやProエディション ・個人ユーザーのデバイス ・企業管理外のPC
企業とは違い、個人ユーザーが対象というわけです。
25H2とは何か
実は9月30日にひっそりとリリースされていました。
当時は「有効化パッケージ」としての配信でした。
有効化パッケージとは
機能自体は前のバージョンの中にすでに隠されていて、このパッケージは「隠しスイッチをオンにする」ためだけの、ごく小さなファイルです。
・ファイルサイズ:わずか166キロバイト ・スマホの写真1枚より小さい ・巨大なデータではない ・ダウンロード自体は一瞬で終わる
サイレントダウンロード
配信方法
設定画面にある「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」というスイッチ。
これをオンにしていると、Windows 10を使っていようが、古いWindows 11を使っていようが、問答無用で25H2のインストール案内が表示されるようになりました。
これまではこのスイッチを入れていても大型アップデートはすぐには来ませんでした。
しかし今後は、機械学習AIが「こいつはイケる」と判断した瞬間、最新OSへの召集令状が届きます。
Microsoftの公式文書
Microsoftが更新したドキュメントにはこう書かれています:
「機械学習ベースのインテリジェントなロールアウトを開始しました」
何が起きるのか
AIがあなたのPCを見て「おっ、こいつは準備できてるな」と判断したら:
Windows Updateが、バックグラウンドで「サイレントに」バージョン25H2をダウンロードし始めます。
・「ダウンロードしますか?」と聞かない ・ギガが減る ・拒否権なし
Microsoftの言い分:「アクションは不要です」
外堀を埋められる
彼らは「ダウンロードして準備まで済ませておきました。あとはいつ再起動するか選ぶだけですよ」という状態を勝手に作り出します。
「食べるか食べないか」の選択肢はなく、「いつ食べるか」しか選べません。
・「インストールを延期する」ことはできる
・しかしデータはすでにダウンロード済み
・インストール待機状態
・一度AIに目をつけられたら、そのPCが25H2になるのは時間の問題
この「機械学習」は新しいものではない
ChatGPTやCopilotのような「超賢いAI」ではありません。
Microsoftは、生成AIブームが来るずっと前から、この「AIによる選別」を何年も続けています。
・Windows 10の頃からの伝統芸能 ・トラブルが起きなさそうなPCをピックアップ ・優先的にアップデートを配る ・徐々に広げていく手法
いわば「ベテランの選別AI」が仕事しているだけです。
「お前のPCなら壊れないだろうから先に送るね」と選ばれているわけです。
25H2は「儀式」のようなもの
実はこのアップデートのファイルサイズは、なんとたったの166キロバイトしかありません。
やっていること
OSのバージョン番号とビルド番号を「カチッ」と書き換えるスイッチを押すだけ。
・新機能なし ・インストールして再起動しても見た目は1ミリも変わらない ・24H2と中身は全く同じ
それでも入れる意味がある理由
機能は同じでも、更新する意味は「絶大」にあります。
それは「寿命(サポート期間)」のリセットです。
・24H2のまま:サポートは2026年10月13日で終了 ・25H2にする:サポート期限が2027年10月12日まで延長 ・1年間無料で延長
「中身は変わらないけど、賞味期限のシールだけ新しいのに張り替える」作業です。
だから「スキップしてもいいや」と思わず、寿命を延ばすためにサクッと入れておくのが正解です。
来年の展開:26H1と26H2
26H1(2026年前半)
・ARM版専用 ・新機能の追加は一切なし ・目的:特定の新しいプロセッサに対応させること
OSのコア部分が今までの「Germanium(ゲルマニウム)」から、新しい「Bromine(ブロミン:臭素)」に入れ替わります。
サポートする新プロセッサ
Qualcommの次世代チップ: ・Snapdragon X2 Elite ・順当な進化
NVIDIAのARMプロセッサ: ・N1X(仮称) ・業界を揺るがす大注目ポイント ・グラボの会社がCPUを作る ・Windowsに「NVIDIAという新しい心臓」を移植
今までWindowsのARMチップといえばQualcommの独占状態でしたが、その契約が切れて、ついにNVIDIAが殴り込みをかけてきます。
もしこれが実現すれば、「ARM版Windowsはゲームができない」という常識がひっくり返るかもしれません。
26H2(2026年後半)
・久々の「超大型アップデート」になると言われている ・Microsoftの本命
ARMベースPCの「メモリの罠」
ユニファイドメモリ方式
AppleのMチップもそうですが、こういう最新のSoCは、メモリをチップのすぐ隣に直付けする「ユニファイドメモリ」という方式をとることが多いです。
・高速に動く ・しかし後から増設できない ・ユーザーが自分で安いメモリを買ってきて差すことができない ・最初からメーカーが高い値段で設定した「メモリ特盛モデル」を買うしか選択肢がない
2026年の懸念
メモリの時価が高騰している時に、これをやられたら地獄です。
・メーカー:「メモリが高いから本体価格も上げます」 ・ユーザー:「後で足せないから、無理してでも高い方を買わなきゃ」
2026年は「ARM版Windowsの飛躍の年」になると同時に、「財布の中身が消し飛ぶ年」になる覚悟も必要かもしれません。
どうすれば自動ダウンロードを防げるか
設定の確認
「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」というスイッチがオフになっているか、今すぐ確認してください。
設定 → Windows Update → 詳細オプション
ただし
Microsoftは「機械学習による最適化」と言っていますが、要するに「文句を言わなさそうなPCから順に、問答無料で送りつける」システムです。
このありがた迷惑な親切心から逃れる術は、今のところ「ネットを切る」くらいしかなさそうです。
まとめ
・Microsoftが25H2を機械学習で自動配信開始 ・サイレントダウンロードで拒否権なし ・166KBの小さなファイルだが、サポート期間が1年延びる ・入れる価値はあるが、勝手に配られるのは不快 ・来年はNVIDIA製ARMプロセッサ搭載Windows登場の可能性 ・しかしメモリ高騰で高額化の懸念
2026年は、Appleの廉価版MacBookも出るし、NVIDIAのWindows PCも出る。
PC業界にとって、かつてない激動の年になりそうです。
ただし、PCを買い替えたい人は財布の準備も必要です。


コメント