2026年4月20日
Microsoftが約1ヶ月前に「パフォーマンス・信頼性・完成度の高い体験」にフォーカスすると宣言していたのを覚えているだろうか。その約束が、いよいよ現実になろうとしている。
現在、Windows InsiderのRelease Previewチャンネルにはすでに多くの修正が展開済みで、2026年4月の任意更新および5月のセキュリティ更新(Patch Tuesday) を通じて一般ユーザーにも届く見込みだ。
今回は、5月のアップデートで何が変わるのか、ポイントを整理してお伝えする。
1. ファイルエクスプローラーが速くなる
Windows 11のファイルエクスプローラーは、Windows 10と比べて明らかに動作が遅く、ダークモードで白いフラッシュが走るなど、細かい不具合が目立っていた。今回の更新では起動速度の改善とダークモードのフラッシュ問題の解消が確認されている。
また、カスタムビューを設定したフォルダを別アプリから開いたとき、レイアウトがリセットされてしまうバグも修正される。ダウンロードフォルダを「特大アイコン」に設定していても、ブラウザから開くと「リスト表示」になってしまう――あの地味に困る挙動がなくなる。
さらに、Windowsのグラフィカルシェルを担う explorer.exe についても、ログイン時やタスクバー操作時・タスクビュー使用時の安定性が向上。ファイルエクスプローラーを閉じた後にプロセスが予期せず終了してしまう問題も対処される。
2. 設定アプリのナビゲーションが安定
「インストール済みアプリ」ページの読み込みが遅いと感じていた人は多いはずだ。アプリ一覧・アイコン・ストレージ使用量を一度に取得する必要があるため、どうしても時間がかかっていた。今回の更新でこのナビゲーションが安定化される。
また、「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報」 の画面も改善。位置情報のマスタートグルをオフにすると、「デフォルトの位置情報」や「位置情報の上書きを許可」といった関連オプションがグレーアウトして操作不可になる。設定が何を意味するのかが直感的に分かるようになる、地味だが大切な改善だ。
※注意: 「インストール済みアプリ」と「位置情報」の改善はDevチャンネル止まりの可能性があり、5月更新には間に合わないかもしれない。
3. ドロップトレイの誤動作が改善
以前は「ドラッグトレイ」と呼ばれていたこの機能、画面上部でファイルやアイコンを動かしている最中に誤って開いてしまうとクレームが続出していた。
名称が 「ドロップトレイ(Drop Tray)」 に改められ、プレビュー表示が小さくなったことで、不意に展開されにくくなった。意図せず開いてしまったときも閉じやすくなっている。
4. クリップボード履歴(Win + V)が素早く開く
Win + V で呼び出せるクリップボード履歴は、使いこなすと手放せない便利機能だ。しかし、素早くタイプしているときにパネルの表示が少し遅れるという、微妙なストレスがあった。
今回の更新でパネルの表示速度が改善される。ただし、この修正はDevチャンネルでの対応となっており、5月更新への収録は不透明な状況だ。
5. ストレージ設定の読み込みが劇的に改善
「設定」→「システム」→「ストレージ」→「ディスクとボリューム」 を開いたとき、大容量ドライブや複数パーティション環境では最大15秒の待ち時間が発生していた。
5月のアップデートでは、このデータ取得プロセスが最適化され、ほぼ即座に表示されるようになる。普段の容量確認やパーティション管理が、もう少し手軽にできるようになりそうだ。
6. Windows Helloの認識が安定
スリープからの復帰後に指紋センサーが反応せず、PINの入力を求められた経験はないだろうか。今回の更新で、スリープ復帰後の指紋認証の信頼性が向上する。
顔認証(Windows Hello Face)の全体的な安定性も改善。さらに、大型アップデートのたびに生体認証データが消えて再登録が必要になる問題も解消される見込みだ。
7. 入力・音声入力の一貫性が向上
絵文字パネル(Win + .)でのキーボードナビゲーションが安定し、矢印キーでの移動が滑らかになる。ADLaMキーボードの入力精度も改善される。
音声入力では、Fluid Dictationの設定が保持されるようになる(これまでは予期せずリセットされることがあった)。タッチキーボードの音声入力はフルスクリーンのオーバーレイが廃止され、ディクテーションキー上に直接アニメーションが表示される、よりスマートなデザインに変わる。
8. スタートアップアプリの起動とメモリ管理が改善
ログイン直後のデスクトップがもたつく原因の一つが、スタートアップアプリの一斉起動だ。今回の更新でこの起動パフォーマンスが改善される。
バックグラウンドでWindowsアップデートやStoreアプリの更新をダウンロードする「Delivery Optimization」サービスも、メモリ消費量が抑えられるようになる。使っているアプリに割り当てられるリソースが増え、体感速度の向上が期待できる。
また、Microsoft Storeでのインストール失敗(エラーコード 0x80070057、0x80240008、0x80073d28 など)も改善が図られる。
9. ディスプレイ・オーディオ・フォントのレンダリングが安定
カラーキャリブレーションを行っているユーザーには重要なニュースだ。カスタムカラープロファイルが勝手にデフォルトに戻ってしまう問題が解消される。写真・映像編集のプロにとっては待望の修正だろう。
MIDIインターフェースや外部オーディオ機器を使っている場合も、サードパーティドライバとの互換性が向上し、音声の不具合やクラッシュが減ることが期待される。
タイ語・ラオス語・クメール語・ロンタラ文字などを含む「Leelawadee UI」フォントのグリフ処理も改善され、多言語環境での表示が統一される。
10. セキュリティの強化
カーネルレベルでのドライバー信頼モデルが変更され、今後はWindows Hardware Compatibility Program(WHCP) と承認済みレガシードライバー以外の「クロス署名ドライバー」はデフォルトで信頼されなくなる。少なくとも100時間・3回の再起動をかけてドライバーの互換性を確認してから厳格化されるため、既存環境への影響は最小限に抑えられる見込みだ。
バッチファイルの実行中に改ざんを防ぐ「セキュア処理モード」も導入される。レジストリに LockBatchFilesWhenInUse を設定するか、Application Control for Businessポリシーで有効化できる。
まとめ
今回の5月アップデートは、新機能の追加よりも「毎日使う部分の安定性向上」に徹した内容になっている。ファイルエクスプローラー、タスクバー、設定アプリ、クリップボード履歴、Windows Hello――どれも日常的に触れる場所ばかりだ。
Microsoftが「信頼性にフォーカスする」と宣言してから初めての大きな成果として、今後のWindows 11のアップデート姿勢を占う試金石になりそうだ。リリース後の検証も続けていきたい。
情報元:Windows Latest

コメント